顎顔面矯正は、骨格を正しい状態に整える「Ⅰ期治療」です。
「歯の健全に生えそろうスペースが足りない」=「顎骨の発育不足」によってひきおこされる様々な不正な歯列に対する治療で、乳歯の時期や、混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざっている状態)に行う、「Ⅰ期治療」で、「上顎骨急速拡大装置(RME)」という矯正装置を使用して、上顎骨(鼻上顎複合体)の成長の力をコントロールし、立体的に、正しく健康的な成長を促し、あごの骨自体を広げ、正常な姿にもどしてあげることで、永久歯が健康に生えそろうためのスペースを作るものです。
上顎骨急速拡大装置(RME)は、上顎正中口蓋縫合を離開させ、真ん中から左右に広げます。骨が広げられた部分の隙間には、すぐに新たに骨ができて塞がります。
不正な歯列
やはり上顎の発育不足によって、永久歯の生えそろうスペースが足りなく、
ぐちゃぐちゃになってしまっています。
装置の装着
しっかりと型を取りぴったりと適合した急速拡大装置を装着しました。
これから1日1回90°専用の器具でネジを巻きます。
正常な発育
急速拡大装置により、上顎は順調に、正常に発育となってきました。
前歯に隙間がでてきましたが、これは歯が並ぶスペースができてきている
証拠で、のちにキチンと隙間はなくなります。
矯正治療終了
永久歯が並ぶスペースが確保されたことにより、歯はキレイに並ぶことが
できました。個人差があるため、歯を並べるためにⅡ期治療(歯列矯正)が
必要になる場合もあります。
正面からみたところ(歯の並ぶスペースができたことでキレイに改善されています)
このように、顎顔面矯正では、子供の顎骨の成長の力を引き出したり、抑制したりと、コントロールすることによって、顎骨の正常な発育を引き出し、永久歯がキレイに並ぶためのスペースを確保することにより、正しく歯が並ぶというものです。
前述したとおり、治療開始の年齢や、個人差などもありますので、このⅠ期治療が終了した後で、さらに歯をキレイに並べるために、Ⅱ期治療(歯列矯正)を行う場合ありますが、永久歯が正常に並ぶためのスペースが確保されているため、抜歯などを
行う必要なく、Ⅱ期治療を終了できることがほとんどです。